スエズマックスのタンカーを保有している会社はどこですか?
スエズマックスとは、「スエズ運河をフル積載の状態で通れる最大サイズの船」のことです。
最近では、ホルムズ海峡やバブ・アル・マンデブ海峡の閉鎖によりアフリカ南端(喜望峰)を回るルートが増えていますが、そうなると航海日数が伸びるため、このサイズの船の需要がさらに高まっています。

スエズマックス(Suezmax)クラスのタンカー(載貨重量トン数:約12万~20万トン)を保有・運航している主な会社には、世界的な海運大手やタンカー専門の運航会社が名を連ねています。
主要な保有・運航会社
- ノルディック・アメリカン・タンカーズ (Nordic American Tankers, NAT)
- 世界でも珍しい、スエズマックス・タンカーのみを専門に保有・運航しているノルウェーの会社です。
- 商船三井 (MOL)
- 日本の大手海運会社であり、VLCC(大型原油タンカー)からスエズマックス、アフラマックスまで幅広い原油タンカーを運航しています。
- タンカーズ・インターナショナル (Tankers International)
- 世界最大級のタンカー・プール(共同運航組織)で、スエズマックス・プールの新設なども行っています。
- SEATON CROSS MARINE
- 英国の会社で、日本の造船会社であるジャパン マリンユナイテッド(JMU)から次世代型のスエズマックス・タンカーの引き渡しを受けています。
- ダイナコム (Dynacom Tankers Management)
- ギリシャの有力なタンカー船主で、スエズマックスを含む多数のタンカーを保有・発注しています。
補足:日本の造船会社
タンカーを「保有」する運航会社とは別に、これらを設計・製造している日本の代表的な会社は以下の通りです。
- ジャパン マリンユナイテッド (JMU):国内トップクラスの造船会社で、最新の省エネ型スエズマックス・タンカーを多数建造・引き渡しています。
さらに特定の地域や、最新の新造船発注状況など、より詳細な情報が必要な場合はお知らせください。
ホルムズ海峡とバブ・アル・マンデブ海峡までフーシー派に閉鎖されたら、紅海からも閉じこめられスエズ運河しか出口はないように思います。そこでスエズマックスを大量に保有するノルディック・アメリカン・タンカーズ(NAT)に魅力を感じますがどうですか?
地政学的な緊張が高まり、主要な海上チョークポイントが閉鎖されるリスクを考慮すると、ノルディック・アメリカン・タンカーズ(NAT)の事業モデルには投資の観点からいくつかの際立った特徴があります。
1. 運賃高騰へのレバレッジ
NATは、スエズマックス級タンカー20隻に特化したフリート構成を持っており、その約7割をスポット市場(短期契約)で運用しています。
- メリット: ホルムズ海峡やバブ・アル・マンデブ海峡の閉鎖により喜望峰ルートへの迂回が常態化すると、航海日数が大幅に伸び(トマイルの増加)、タンカー供給が実質的に不足します。これによりスポット運賃が跳ね上がった際、NATはその利益をダイレクトに享受しやすい構造です。
- 実績: 実際に、2025年末から2026年初頭にかけての緊張局面では、1日あたりの傭船料が10万ドル近くに達するケースも報告されています。
2. スエズマックスの希少性と優位性
スエズ運河をフル積載で通過できる最大のサイズであるスエズマックスは、汎用性が高いのが特徴です。
- 需給バランス: 現在、世界的にスエズマックスの供給は限定的です。新造船の発注残(オーダーブック)が歴史的に低水準であるため、需要が急増してもすぐに船が増えない「供給の壁」がNATに有利に働いています。
- 運用柔軟性: VLCC(超大型タンカー)が入港できない中規模な港にも対応できるため、供給ルートが混乱した際の代替輸送手段として選ばれやすい側面があります。
3. 高配当と経営陣の姿勢
NATは1995年の設立以来、四半期ごとに配当を支払う方針を維持しており、インカムゲインを重視する投資家に好まれます。
- 経営陣の買い: 2026年3月にはCEOのハーブジョーン・ハンソン氏らが市場で自社株を買い増しており、今後の見通しに対する自信の表れと受け取られています。
注意すべきリスク要因
- 市況のボラティリティ: スポット市場への依存度が高いため、地政学リスクが緩和され運賃が正常化すると、利益が急減するリスクも併せ持っています。
- 配当の持続性: 利益以上の配当を出す傾向があるとの指摘もあり、長期的な持続性については慎重な分析が必要です。
- 迂回によるコスト増: 運賃は上がりますが、燃料費や運航コストも増大するため、利益率が必ずしも正比例して伸びるとは限りません。
結論として、「航路封鎖によるタンカー不足」というシナリオにおいては、NATは最もその恩恵を受けやすい銘柄の一つと言えます。ただし、海運株特有の激しい値動きには十分な注意が必要です。


