日本が金利を上げると世界経済はどのよになりますか?

株式投資

日本が金利を上げると、主に円高の進行や、世界的な金融市場の流動性低下による世界の株価・債券市場への影響を通じて、世界経済に波及的な影響を及ぼします。 

主な影響は以下の通りです。

1. 為替市場への影響(円高)

  • 円高の進行: 日本の金利が他国と比較して魅力的になるため、海外投資家が円資産への投資を増やし、円の価値が上昇(円高)する傾向があります。 

2. グローバルな資本移動と流動性の低下 

  • 円キャリー取引の解消: これまで投資家は、低金利の円を借りて(円借入コストが増加)、より高金利の海外資産に投資する「円キャリー取引」を行ってきました。日本の金利が上昇すると、この取引の妙味が薄れるため、投資家は借りていた円を返済するために海外資産を売却し、資金を日本へ還流させます。
  • 世界の市場の流動性低下: 日本からの資金が世界市場から引き揚げられることで、世界の株式、債券、その他のリスク資産市場から流動性が失われ、世界的な株価下落や債券利回り上昇(価格下落)圧力につながる可能性があります。特に、米国のハイテク株など、これまで低金利の恩恵を受けてきたセクターは影響を受けやすいとされます。 

3. 世界の金利市場への影響

  • 世界の金利上昇圧力: 日本の投資家(特に生命保険会社や年金基金)が国内回帰を進め、海外債券の保有を減らすと、米国債などの利回りが上昇し、世界の借入コスト全体に上昇圧力がかかる可能性があります。 

4. 新興国市場への影響

  • 新興国からの資金流出: 日本の投資家は新興国市場にも投資してきましたが、国内金利の上昇により資金が流出すると、新興国通貨の下落や市場のボラティリティ(変動幅)拡大を引き起こす可能性があります。 

要約すると、日本の利上げは、長年にわたる超低金利政策の下で構築されたグローバルな金融システムのバランスを変化させるため、世界経済にとって重要なイベントとなり得ます。市場は、日本銀行がどのように政策変更を進めるかを慎重に見守っています。 

タイトルとURLをコピーしました