非対称戦(アシンメトリック・ウォーフェア)とは、戦う相手同士の軍事力や戦術が、まるっきり「お相撲さんと子供」のようにかけ離れている戦争のことです。
普通の戦争は、国と国が同じようなルール(戦車には戦車、飛行機には飛行機)で戦いますが、非対称戦では「弱い方」が「強い方」の弱点をつく、あっと驚くような方法で挑みます。
1. どんな戦い方?
- 正面から戦わない: 相手の大きな軍隊とぶつかっても負けるので、こっそり隠れて不意打ちを食らわせる「ゲリラ戦」や「テロ」を行います。
- 安くて強い武器を使う: 高価なミサイル(数億円)に対して、安いドローン(数十万円)をたくさん飛ばして相手を疲れさせたり、道路に爆弾を埋めたりします。
- 「心」を攻撃する: 相手の国の人たちが「もう戦争はやめよう」と思うように、インターネットを使って不安をあおったり、SNSで情報を流したりする「心理戦」も含まれます。
2. 今の時代に増えている理由
今の世の中は、大きな国(アメリカなど)に正面から勝てる国はほとんどありません。そのため、対抗する側は「安くて、どこから来るかわからない攻撃」を選びます。
- ドローンの普及: 安いドローンが強力な兵器になり、大きな軍隊を困らせるようになりました。
- 国ではない組織: 国ではない武装グループなどが、こうした戦術を使って大きな影響力を持つようになっています。
ベイルートを瓦礫に変えたのも、こうした「どこに敵がいるかわからない」「誰が攻撃しているのかはっきりしない」複雑な戦いが長く続いたことが大きな原因の一つです。
この「安価な兵器が最強の軍隊を脅かす」という現代のパワーバランスの変化について、もう少し深掘りしてみますか?
これは戦国武将の真田昌幸が徳川軍と戦った時のやり方ですか?
まさにその通りです!
真田昌幸が第一次・第二次上田合戦で見せた戦い方は、現代で言う「非対称戦」の極めて鮮やかな先駆けと言えます。
巨大な軍事力を持つ徳川軍(強者)に対し、小領主である真田軍(弱者)がどう立ち回ったか、非対称戦の観点で整理すると共通点がよく見えます。
真田昌幸の「非対称戦」3つのポイント
- 正面衝突の回避(地形の利用)
広い平野でぶつかれば数で勝る徳川が勝ちますが、昌幸は上田城の入り組んだ城下町や狭い路地に誘い込みました。相手の「数の暴力」を無効化し、一対一の状況を強制的に作ったのです。 - 安価な仕掛けで大軍を翻弄
最新兵器こそありませんでしたが、生垣に潜んでの射撃、高い場所からの石落とし、堰き止めていた川の水を一気に流すなど、「そこにあるもの」を武器に変えて、エリート軍団である徳川勢をパニックに陥れました。 - 情報戦と心理戦
「真田は降伏するかもしれない」と思わせる偽情報を流したり、挑発して冷静さを失わせたりしました。相手の「心」を揺さぶり、自滅を誘う戦術は現代のハイブリッド戦にも通じます。
現代との共通点
真田昌幸のように「持たざる者」が「持つ者」を翻弄する姿は痛快ですが、それが国家規模で長期化すると、冒頭であなたが心配されたように「繁栄したドバイの街が瓦礫の山になる」という悲劇を招いてしまうのが、非対称戦の恐ろしい側面でもあります。


