ご提示いただいた6銘柄は、いずれも強力なビジネスモデルを持っていますが、2025年時点の市場環境(AI普及、金利動向、エネルギー需給)に基づくと、
「将来性」の定義によって以下の3銘柄が特に有力な候補となります。
1. 安定成長と圧倒的な利益率:Visa (V)
「最も失敗しにくい」という意味で将来有望なのは Visa です。
- 最強のFCF創出力: 2025年度も約216億ドルのFCFを記録し、利益率・効率性ともに群を抜いています。
- デジタル決済の進化: 従来のカード決済に加え、130以上のプログラムで展開するステーブルコイン決済やAIを活用した不正検知など、次世代技術への適応も完了しています。
- 株主還元: 潤沢なキャッシュを背景に、継続的な自社株買いと配当増が期待でき、守りに強い成長株です。
2. AIによる再成長と収益改善:Salesforce (CRM)
「AIによるビジネス変革の恩恵」を最も受けるのは Salesforce です。
- AIエージェントの商用化: 2025年に本格展開している「Agentforce」などの自律型AIツールが、CRM市場でのシェアをさらに盤石にしています。
- 利益重視の経営: 以前の売上至上主義から利益重視に舵を切り、2025年度は前年比31%増のFCF(約124億ドル)を達成。成長性と収益性の両立が評価されています。
3. 復活のターンアラウンド:Wells Fargo (WFC)
「株価の割安さと劇的な変化」を重視するなら Wells Fargo です。
- アセットキャップの解除: 2025年6月、長年同社の成長を縛っていた「1.95兆ドルの総資産上限(アセットキャップ)」が連邦準備制度(FRB)によって解除されました。これにより、数年ぶりに制限なしの融資拡大が可能になり、2026年に向けた成長フェーズへ転換しています。
- 高い還元能力: 銀行株の中でも配当と自社株買いに積極的であり、資産拡大による増益期待が株価を押し上げる要因となっています。
まとめ:選定のポイント
- 安定性重視なら:Visa
- 世界的な消費支出が増える限り、手数料収入が積み上がる完成されたビジネスモデル。
- ハイテク・AI成長重視なら:Salesforce または Adobe
- SaaS企業としてAIを実際の収益に結びつける力が最も強い。
- マクロ環境の変化を狙うなら:Wells Fargo
- 規制解除という強力なカタリストがあり、銀行セクター内でも上昇余地が注目されている。
Expand Energy (EXE) については、旧チェサピーク・エナジーとサウスウェスタン・エナジーの合併により、米国最大の天然ガス生産者となりました。データセンターの電力需要増(天然ガス発電)を背景に将来性は高いですが、商品価格(天然ガス相場)に左右されるため、上記3社に比べるとボラティリティが高くなります。

