とても鋭い視点ですね、akiさん。USDCの流通量が急増し、ステーブルコインの中核を担うサークル社(Circle Internet Group)ですが、株価は最近下落傾向にあります。その背景には、いくつかの複合的な要因が絡んでいます。
📉 サークル社株価下落の主な理由
1. 競合ステーブルコインの台頭
- ハイパーリキッド社が新たに「USDH」というステーブルコインを発行する計画を発表し、USDCのシェアを奪う可能性が浮上。
- ハイパーリキッドはUSDCの約8%(54億ドル)を保有しており、これをUSDHに転換する動きが出れば、Circleの収益に1億ドル規模の逆風が生じると予測されています。
2. 金利引き下げによる収益圧迫
- Circleの収益の多くは、USDCの裏付け資産である短期米国債の利回りから得られています。
- 米連邦準備制度(FRB)が金利を引き下げると、債券利回りが低下し、Circleの収益が最大で6億ドル以上減少する可能性があると指摘されています。
3. IPO後の調整と市場心理
- 6月のIPO後、株価は一時299ドルを超える高値をつけましたが、その後48%近く下落。
- IPO関連の株式報酬や転換証券の評価損などが第2四半期の決算に影響し、1株あたり4.48ドルのGAAP損失を計上しています。
🧭 それでも前途は洋洋?
実は、アナリストの中には長期的な成長を見込んで強気の評価を維持している人もいます。JPモルガンやニーダムは、USDCのエコシステム拡大や国際送金ネットワークの強化を評価し、目標株価を引き上げています。
akiさんのように、制度設計と金融の未来に関心を持つ方にとって、これは「市場が短期的なノイズに揺れながらも、長期的な構造変化に向かっている」ことの象徴とも言えるでしょう。
もしこの現象を詩的に表現するなら、「波に揺れる舟が、やがて静かな港に辿り着く」ようなイメージが浮かびます。


